杉元産業()は、機械部品加工、板金加工を中心とする開発型企業。機械部品でもある様々なネジ、ボルト、ナットを国内外100以上の協力工場と提携し、開発から設計、金属加工、完成品の生産まで手がける。

 

炉内監視カメラなど数々のOEM開発・生産、また、ペットボトルラベル剥離機、荷揚げ機、の販売に携わった多田昇代表に独自の新製品についてお話を聞いた。

 

ねじを回さなくても締まる早送りナット■

 自社開発製品の代表格となったアスファルト用ねじアンカーは、柔らかいアスファルトにアンカーを打っても、緩んで効かないものだという現場の思い込み、固定観念を覆すことから着想を得た。

 

試作品が完成し、現在販路開拓を行っている「スピード・ナット」も、ねじは回すものという固定観念を覆す製品だ。普通、ねじは回さなければ締まっていかないはずだが、回さずに一気に押し込むだけで締結することが出来、戻ることはない。元に戻すには回さなければ外せない仕組みになっている。

 

木造住宅は経年で柱が乾燥して収縮し、ナットに緩みが生じる。「スピード・ナット」は木痩せに追随していくので緩まず、増し締めの必要としない。住宅の天井裏は階下から見てもねじが緩んでいるかどうかわからない。特に頬っておくと小さな地震の揺れでも天井がガタガタしたりすることがある。

 

避暑地などで目にするログハウスなどは、柱と柱を締結しているねじが柱から離れて隙間が空いているのよく見かけます。

 

このスピードナットのもう一つの特徴は、建築現場で、天井を吊るす為に長ネジを使います。その時下から高所に向かってナットを長い距離回していかなければならない。しかし、このスピードナットを使用すると一気に締結が完了します。

また、基礎工事でコンクリートを流す木枠を作るときに長ねじを使っているが,スピード・ナットに替えればを使えば回して締める手間暇、作業工数が減って作業効率もよくなると工務店やハウスメーカーのお墨付きも得ている。

 

多田代表は新たに開発した商品があると言う。今年2月のテクニカルショウヨコハマ(第38回工業技術見本市)に出展した蝶ナットプラスだ。一方向しか回らない緩み止めねじです。ここまではよく見かけます。でも一方向しか動かないのでは取り外すときに困るということで、新たに開発したのが、ボタンを押すと回らないはずのものが回るようになります。これが蝶ナットプラスです。

 

 

 

構想と製品化の間をつなぐ

多田代表は建築・建設業界以外にも販路を築きたいと様々な業界関係者に試作品を持ち歩いている。顧客の驚いた顔を見るのが楽しいが、新たな用途に気付かせてくれたり、逆にこんなものは出来ないかと提案されたりと、刺激を受けることで固定観念を覆す構想が生まれるそうだ。そして構想と製品化の間を協力会社100社の個々の得意分野でつなぐことが大企業に対抗できる当社のビジネスモデルとなっている。

 


杉元産業株式会社

本  社 横浜市都筑区池辺町4706

代表者  多田 昇氏

電話番号 045-929-5911

資本金 10,000,000円

営業品目 ネジ及び精密部品の製造

       販売 機械加工 板金溶接

URL   www.sugimoto-ss.co.jp